動物生理学研究室の修士課程卒業生水田習斗さん(2017年度卒)の論文が行動神経内分泌学会(Society for Behavioral Neuroendocrinology)オフィシャルジャーナル『Hormones and Behavior』(ELSEVIER社;オンライン版7月31日付け)に掲載されました。
<論文のポイント>
光による概日リズム調節が性周期によって変化することが明らかに
雌性マウスを用いた実験により、光を浴びた次の日の体内時計の針の進み方が性周期のステージで異なることを明らかにした。
女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が減少している時期(発情後期)では、通常光に対して感受性が低い時間帯で光に反応しやすいことがわかった。
健常女性においても、月経周期の各ステージ(月経期、増殖期、分泌期)で概日リズムの光反応性が変化している可能性がある。
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<図の説明>
性周期による位相反応曲線の違い
性周期が正常に回っている雌性マウスを恒常暗条件下で飼育し、15分間の光照射(200 - 300ルクス)を行い、位相反応曲線を作成した。図では、発情前期と発情後期の位相反応曲線を模式的に示している。休息期(昼)の後半(点線囲い部分)は通常光に反応しないか、反応しても位相の後退を示す時間帯であるが、発情後期の動物では位相前進を示した。
※掲載誌:行動神経内分泌学会(Society for Behavioral Neuroendocrinology)オフィシャルジャーナル『Hormones and Behavior』(ELSEVIER社), Volume 105, September 2018, Pages 41-46
※論文タイトル:Photic phase-response curve for cycling female mice
※著者:Shuto Mizuta, Mizuki, Sugiyama, Isao T. Tokuda, Wataru Nakamura, Takahiro J. Nakamura
※DOI: 10.1016/j.yhbeh.2018.07.008
※本論文PDFはこちらから→ https://authors.elsevier.com/a/1XTgf,QxXSadY