タイトル:TGFbeta signaling reinforces pericyte properties of the non-endocrine mouse pituitary cell line TtT/GF
(Tsukada T, Yoshida S, Kito K, Fujiwara K, Yako H, Horiguchi K, Isowa Y, Yashiro T, Kato T, Kato Y )
論文はこちらから閲覧できます。
解説:本論文は、平成26年度(2014年度)私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」(代表・戸村秀明教授)の中で行われている研究の成果をまとめたもので、プロテオミクス研究室と旧遺伝情報制御学研究室以外に、東邦大学、自治医科大学、杏林大学の研究者が参加しています。本事業では、下垂体のホルモン産生細胞を供給する幹・前駆細胞の働きを解析していますが、本論文は、マウス下垂体腫瘍から樹立された株化細胞TtT/GFの未分化性に着目して、その分化能を調べたものです。TGFβを作用させると、この細胞はペリサイト(周皮細胞)様の性質をもつように分化する事を見出しました。ペリサイトは、細胞全体が基底膜に包まれて、毛細血管壁を取り巻くように存在する細胞です。 血管の成熟、安定化などを担っているとされ、分化能を持ち細胞供給にも関与しているとの研究があります。
図の説明:TtT/GF細胞をTGFβで処理すると細胞の形状が変わることから、発現する遺伝子とその産物であるタンパク質の変化が推測できる。網羅的なタンパク質の解析を行い、幾つかのマーカータンパク質を細胞免疫染色で調べた。その結果、ペリサイト(周皮細胞)に特徴的なNG2、Nestin、CollagenなどがTGFβ処理によって著明に増加していることが判った。