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旧遺伝情報学研究室の研究ノートが、明治大学農学部研究報告 2017; 67: 69-75に掲載されました。

タイトル:レコンビナーゼCreERT2 導入BAC クローンによって作製したトランスジェニックラットの組織化学・細胞生物学的研究 (加藤幸雄, 上春浩貴, 後藤哲平, 吉田彩舟, 加藤たか子, 平林真澄)

解説:本研究は、生命科学科遺伝情報制御学研究室と自然科学研究機構 生理学研究所(生理研)遺伝子改変動物作製室の平林真澄准教授と後藤哲平研究員とで行った共同研究をまとめたものです。生命科学科遺伝情報制御学研究室では、ラット下垂体で発現する幾つかの特徴的な因子について発生過程から成熟後までを追跡して、幹・前駆細胞の働きを調べていました。この研究では、PRRX1とS100βという因子の遺伝子のプロモーターを使ってCreERT2というレコンビナーゼを発現させて、それらが発現する細胞を蛍光タンパク質で標識します。その後、それらの蛍光細胞がどの様になっていくのかを調べようとしました。こうした細胞の運命を調べる組換え体動物はマウスでは頻繁に行われているのですが、下垂体の研究でよく使われるラットではまだまだ成功例が少なく、挑戦的なテーマでした。生理研の助成も受けながら4年間の実験でしたが、結果として蛍光タンパク質遺伝子の組み換えが起こらず、実験は成果を見ずに終了しました。その過程と原因について、後学のために研究ノートして記したものです。


図の解説:目的の組換え体ラットを作製するためのベクターのコンストラクト

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